【完全攻略】CB223Sのオイル交換を自分でやってみた

はじめに ― なぜ自分でやるのか

バイクショップでオイル交換を頼むと、工賃込みで3,000〜4,000円くらい飛んでいく。

CB223Sのオイル交換なんて、オイル1L入れて抜くだけ。料理で例えるなら「お湯を沸かしてカップ麺にお湯を注ぐ」レベルの作業だ。これに毎回4,000円払うのは、カップ麺を作るのにシェフを呼ぶようなもの。

というわけで、初めてセルフでオイル交換してみたので、その全手順を記録しておく。


CB223Sオイル交換の基本スペック

まずはボスのステータスを確認しよう。

項目 内容
オイル量 1.0L(缶1本ピッタリ)
純正指定粘度 10W-30(10W-40もOK)
ドレンキャップサイズ 24mm
締め付けトルク 15Nm(超重要)
交換目安 半年 or 2,000〜3,000km
推定作業時間 初回30分 / 慣れたら15分

オイル量がちょうど1Lというのがこのバイクの美点。計量不要、缶を全部入れて終わり。4L缶を買って「あと何L残ってたっけ?」とガレージで途方に暮れることもない。1L、以上。


用意するもの ― 装備を整えよ

冒険に出る前に装備品の確認だ。

  • エンジンオイル 1L(今回はCastrol Activ ESSENTIAL 4T 10W-30 MA)
  • 24mmレンチ(メガネレンチ推奨。モンキーだとアルミキャップを舐めるリスクあり)
  • 廃油処理剤(ホムセンで200円くらいの箱タイプ)
  • 漏斗(100均で十分。チラシで自作とか冒険しないこと)
  • パーツクリーナー
  • ウェス(使い捨てのボロ布でOK)
  • 軍手(熱いオイルから手を守る盾)

「トルクレンチは?」と思った勇者へ。あった方がいいのは間違いない。ただしCB223Sの15Nmは「手でしっかり締まったところから気持ちキュッ」くらいの力加減。これを体で覚えるのもDIYの醍醐味だ。もちろん、不安なら買っておいて損はない。


作業手順 ― ボス戦開始

STEP 1:アイドリング(5分)

まずエンジンをかけて5分ほど暖機する。

冷えたオイルはドロドロで抜けにくい。温めることでサラサラになり、エンジン内壁にこびりついた汚れも一緒に流れ落ちる。ラーメンの丼を洗うときに水よりお湯のほうが油汚れが落ちるのと同じ原理だ。

STEP 2:フィラーキャップを外す

エンジンを止めたら、右側のオイルレベルゲージがあるキャップを先に外す

「え、オイル抜く前に上を開けるの?」と思うかもしれないが、これを開けないとオイルの抜けが悪くなる。ペットボトルを逆さにしたとき、キャップに穴を開けると「ゴボゴボ」がなくなってスーッと出るのと同じ理屈。空気の通り道を作ってやるのだ。

STEP 3:廃油受けをセット

エンジン左側(シフトペダル側)の下に廃油処理箱をセットする。

ここでケチって小さい受け皿を使うと、オイルが飛び散って地面が大惨事になる。受け皿は大きめに。心も器も大きくいこう。

STEP 4:24mmレンチでドレンキャップを外す

CB223Sのドレン部分は、普通のバイクにある小さなドレンボルトとは違う。デカい蓋のようなアルミ製のドレンキャップがついている。中にオイルフィルター(茶こし)が内蔵されているからだ。

レンチで緩めたら、途中から手で回す。最後の数回転で古いオイルがドバーッと流れ出すので、軍手をしていないと「アッッッ熱ッッッ!!」と叫ぶことになる。近所迷惑。

STEP 5:フィルターを取り出して洗浄

ドレンキャップの中からバネと茶こし状のフィルターが出てくる。

CB223Sのオイルフィルターは使い捨てカートリッジ式ではなく、金属メッシュのフィルターなので、交換ではなく洗浄して再利用する。パーツクリーナーをシャーッと吹いて、ウェスで拭けばOK。キャップ自体も一緒に洗浄しておこう。

STEP 6:オイルが完全に抜けるまで待つ

焦らない。ポタ…ポタ…と垂れなくなるまで5分ほど待つ。

この待ち時間にスマホを触りたくなるが、オイルまみれの軍手でスマホを触ると画面がヌルヌルになる。大人しく空でも眺めていよう。

STEP 7:ドレンキャップを締める ⚠️最重要⚠️

フィルターとバネをキャップに戻し、ドレンキャップを締める。

ここがCB223Sオイル交換における最大にして唯一のボス戦。

一般的なバイクのドレンボルトは鉄製で、多少キツく締めても平気。しかしCB223Sは**アルミ製のドレンキャップ+ゴムのOリング(パッキン)**という構成。普通のドレンボルトの感覚で締めるとキャップが割れる。

締め付けトルクは15Nm。

わかりやすく言うと、「渾身の力」の反対。指先で「キュッ」という感じ。ここで脳筋プレイをするとアルミが逝って修理代が発生し、オイル交換100回分の出費が吹き飛ぶ。

STEP 8:新しいオイルを注入

漏斗をフィラー口にセットして、1L缶をそのまま全部注ぐ。

CB223Sの注入口は狭くてオイルを入れにくい構造になっている。100均の漏斗があるだけで世界が変わる。この100円が人類の叡智。

「1L全部入れて溢れへんの?」と不安になるかもしれないが、大丈夫。CB223Sのオイル容量はピッタリ1L。設計したホンダのエンジニアを信じろ。

STEP 9:アイドリング(2分)

フィラーキャップを閉めて、エンジンをかけて2分ほどアイドリング。新しいオイルをエンジン内部に循環させる。言わばオイルの入社式。「今日からここで働いてもらうで」という儀式だ。

STEP 10:レベルゲージで最終確認

エンジンを止めて1〜2分待ち、レベルゲージを確認する。

ここで重要なのが、ゲージは「ねじ込まない」こと。 軽く穴に差し込んで置くだけ。ねじ込むと正確な量が測れない。検温するとき体温計をグリグリ押し込む人はいないだろう。そっと当てるだけでいい。

車体を垂直にした状態でゲージを引き抜き、網目の範囲にオイルが付着していれば合格。

STEP 11:完了!

フィラーキャップをしっかり閉めて、フレームに付いたオイルをウェスで拭き取る。廃油は処理剤で固めて燃えるゴミへ。

おつかれさまでした。


初回セルフ交換を終えた感想

正直、あっけない。

「え、これだけ?」という感想がリアル。4,000円の工賃を払ってた過去の自分に「お前、カップ麺にシェフ呼んでたぞ」と言ってやりたい。

材料費はオイル1L(約1,000円)+廃油処理剤(約200円)+漏斗(110円)。合計1,310円。次回からは漏斗は再利用だから1,200円。ショップとの差額を計算すると、年2回交換で毎年5,000円以上浮く。5年で25,000円。それはもうタイヤ代。

何より「自分のバイクの血液を自分で入れ替えた」という満足感がある。愛着が3割増しになる。


注意点まとめ

忙しい人のためにもう一度だけ。この3つだけ覚えて帰ってほしい。

  1. ドレンキャップは15Nm。アルミだから締めすぎ厳禁
  2. レベルゲージはねじ込まず置くだけ
  3. フィラーキャップを先に外してからオイルを抜く

この3つさえ守れば、あとは「抜いて入れるだけ」。

CB223Sは整備性が高くて初心者にも優しいバイク。オイル交換を入口に、セルフメンテナンスの沼に片足を突っ込んでみてはいかがだろうか。もう片足も、きっとすぐに沈む。